2017年12月21日

子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ


恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

 

☆子どもが元気になる言葉を考えてみよう!☆

 

◇読者の皆さんは、「子どもがうまくいっていない」と感じた時、「最近何か変だなァ」とか「元気がないように感じるなァ」と思った時、どんな声を子どもにかけていますか?体育会系のお母さんなら、「しっかりしなさい!」とか「もっとがんばりなさい!」なんて、声をかけていたりしませんか?

 

◇この言葉は、子どもにいい刺激を与える場合もありますが、時と場合によっては、子どもにダメージを与えてしまったりします。それは、「しっかりしなさい!」や「もっと頑張りなさい!」というメッセージ(デノテーション)には、「あなたはだらしない人ね」とか「あなたは全然がんばっていないわよ」という意味(コノテーション)が感じられるからです。

 

◇そこで、こんな風に声をかけてみたらどうでしょう。

「あなたは、こんなもんじゃない!」

「あなたは、これで終わるような人間じゃない!」

 

◇これらの言葉、何がこんなもじゃないのか?何がこれで終わるもんじゃないのか?具体的には何もありませんが、しかし、このメッセージ(デノテーション)から感じられる意味(コノテーション)は、子どもの可能性を親が評価しているように子どもは感じられるはずです。

 

この言葉を聞いた子どもは、何だかわからないけれど、親が自分の未来にまで信頼してくれていることを感じるのです。そして、いつかこの信頼に応えようとやる気を出してくれる言葉なのです。

 

◇子どもの変化に気が付いて、子どもに元気になってもらおうとかける言葉ですが、ちょっとしたことで、メッセージの取り間違えが起こってしまうものです。

 

元気を出させようと発する言葉なのに、その反対の結果になってしまう。よくあることです。以前にも触れたデノテーションとコノテーションの考え方をちょっと思い出してみてください。

 

子どもがどう受け止めるか、そこがコミュニケーションでは、非常に大切なことなのですから。「頑張って!」と言わなくても結果的に「頑張って!」と伝わる言葉、それが、この2つの言葉です。

「あなたは、こんなもんじゃない!」

「あなたは、これで終わるような人間ではない!」

 

 

『子どもが元気になる言葉を考えてみよう!』

 

 

☆当たり前の基準を下げて、承認をしやすくしよう! ☆

 

◇私たちは、出来て当たり前だと思っていることが意外と多いものです。そして、当たり前のことだと思うと、その行為が出来ていても、何も反応しないものです。たとえば、挨拶をするのは、人間として当たり前のことだから、子どもが挨拶しても、それが当然だと思っていると、何も反応しないのです。この当たり前の基準が、実は曲者です。この基準が高ければ高いほど、子どもを承認することがなかなかできません。

 

◇この当たり前の基準を下げてみると、子どもを承認する機会が非常に多くなります。子どもが、挨拶をしてくれたら、「挨拶してくれて嬉しい!」と声をかけてみてください。

慣れないとちょっと変な感じがしますが、慣れてしまえば、簡単に言えるものです。また、子どもが自主的に勉強していれば、「頑張ってるね!」と声をかけてみてください。勉強して当たり前だとか、親の手伝いをして当たり前だとか思っていると、そういう声をかけることもできません。当たり前という考えをカッコに入れて、子どもを見て欲しいのです。

 

A君 :お母さん!今日ね、学校で、先生の手伝いしたんだよ。先生が、荷物を持って重たそうだったんで、荷物を少し持ってあげたんだ。

お母さん:そんなの当たり前じゃない。他人が、大変な時は、手助けしなくちゃね。お母さん、今大変なのよ。A君、手伝ってよ!

A君 :えっ!?何でよ!

◇こんな会話にならないようにしたいものです。

たとえば、以下のような感じで、受け答えをしてみてはどうでしょうか。

A君 :お母さん!今日ね、学校で、先生の手伝いしたんだよ。先生が、荷物を持って重たそうだったんで、荷物を少し持ってあげたんだ。

お母さん:そう。凄いじゃない!A君は、他人が困っていれば、ちゃんと手助けできるのね。お母さん、嬉しいわ!

A君 :大したことしてないよ。普通のことだよ。

お母さん:人間は、なかなか普通のことが出来ないのよ。A君がしたことは、人間として立派なことなのよ。お母さん、本当に感心しちゃったわ!

 

◇当たり前の基準をどんどん下げて、子どもを承認する機会を増やしていこうではありませんか。注目や関心が、行動の強化に繋がるのです。

良いことの承認が、良いことを強化することになって、悪いことが目立たなくなっていくはずです。ぜひ、当たり前の基準を下げて子どもの行動について、いっぱい承認活動をしてください。

 

『当たり前の基準を下げて、子どもの行動を承認していこう!!』